自転車は,道路交通法(道交法)的には「軽車両」の扱いになる.
「軽車両」には,電動アシスト自転車のほか,大八車,リヤカー,屋台,馬車,牛車などと,牛や馬,象などの動物そのものも含まれる. ただし,原動機を持つ二輪車(バイク)は「軽車両」ではない. また,子ども用の三輪車なども「軽車両」に含まれない.
道交法上の「軽車両」は,車道と歩道の区別がある道では原則的に車道を走らなくてはいけない. ただし,道路標識で自転車通行を認めている場合や,13歳未満の子ども,70歳以上の高齢者である場合は,自転車でも歩道を通行できる.
また,工事などで車道の通行が危険な場合や,交通の状況からやむをえないときも歩道の通行は可能となる. 歩道は歩行者が最優先で,自転車は徐行(時速5.6km以下)しなければならない. 歩道を徐行せずに走れば,2万円以下の罰金(科料)となることもある.
自転車が関係する交通事故は年間9万件以上発生(2016年)し,交通事故全体の18.2%(構成率)となっている. 内,7.7万件が「自転車×自動車の事故(」自転車事故全体の84.7%)で最も多くなっている. 「自動車×歩行者の事故」は,2281件(自転車事故全体の2.5%)となる.
いずれの事故件数も減少傾向となっているが,死亡事故数は減っていない. 事故類型別でみると,「出会い頭衝突死亡事故」(490件)が半数以上(51.8%)を占める. 自転車×自動車による「出会い頭死亡事故」205件(42%)の内,「交差点での死亡事故」が167件(81%)となる. そのほとんどが,75歳以上の高齢者だ.
このような背景から,2015年6月1日の道路交通法改正で,「自転車の交通違反取り締まり強化」がされた. この改正で,14項目の危険運転行為が再定義された. 特に「歩行者用道路徐行違反(ブレーキをかけてもすぐ止まれない速度)」.「通行区分違反(車道右側逆走など)」...
「路側帯通行時の歩行者通行妨害」. 「一時停止違反(自転車の場合は足を地面につくこと)」. 「歩道通行時の通行方法違反(歩行者妨害,ベルを鳴らすなど)」, 「安全運転義務違反(傘さし,携帯電話・スマホ使用運転など)」などが強化された.
そもそも,なぜ自転車が歩道を走れるようになったのだろうか. 高度経済成長時に「3種の神器」としてテレビ,電気冷蔵庫,電気洗濯機が普及した. 「3種の神器」が一段落し,つぎに「3C」としてカー(クルマ),クーラー(エアコン),カラーテレビなどの大型耐久消費財が庶民の願望となり,1000ccクラスの大衆向け乗用車が作られマイカーブームが始まる.
道路は,工事用トラックやマイカーであふれ,車道を走る自転車が邪魔となってくる. 自転車を車道から締め出すため,1970年の道交法改正で「自転車の歩道通行」が例外的に認められたのであった. 2015年6月の道路交通法改正は,これを原則に戻したにすぎない.
しかし,クルマ側からみた自転車は,今でも邪魔者であることに変化はない. 狭い道路で後ろからクラクションを鳴らされることは多い. 少しづつではあるが,道路も整備されつつある. そのひとつが「自転車専用通行帯」や「自転車走行指導帯」の自転車レーンの整備となる. 「自転車路面表示」は,「自転車ナビライン」や「自転車ナビマーク」ともいう.
市民には「自転車の歩道通行」が染みついている. そのため,車道でどのようにすればよいのか迷うことがある. そのひとつが交差点だ. 基本的には,「青は進んで良い」,「黄色と青点滅は(基本的に)止まれ」,「赤は(完全に)止まれ」は,人でもクルマでも自転車でも同じだ. 横断歩道に「歩行者専用信号機」が設けられている場合,自転車はどうなるのか.
「歩行者用信号機」が設けられている場合でも,自転車はクルマ用「一般(3灯式の)信号機」にしたがう. では,クルマ用「一般(3灯式の)信号機」の下に「矢印信号」がある場合はどうなるのか. 実は,右折方向の「矢印信号」だけ,自転車はクルマの信号と見方が異なる.
直進方向の矢印信号,左折方向の矢印信号はクルマと同じだが,右折方向の矢印信号だけ自転車は赤信号と同じ扱いとなる.
自転車の交差点での右折は,「二段階右折(いったん直進してから信号機が変わってから右折する)」を行うこととになっているためだ.
船橋市本町通りには,千葉県初のスクランブル交差点がある. このスクランブル交差点の場合,自転車はどう動けばよいのか. 基本的に自転車はクルマと同じ扱いになる. 歩行者用信号が青でも,クルマ用信号が青になるまで待たなければならない.
交差点を右折する場合は,二段階右折をしなければならない(ほとんど守られていないが). ただし,自転車から降りて歩道通行(通称,押しチャリ)であれば「歩行者用信号」にしたがって最短距離(斜めに)で渡れる.
「自転車専用信号機」や,「歩行者・自転車専用信号機」の表記がある場合は,この信号に従うことになる.
京成本線船橋競馬場駅前のバスプール内(千葉県船橋市宮本4丁目15)に,不思議なボタンがある.
ららぽーとTOKYO-BAY側から北側(陸側)へ走り,つきあたりの場所で,ららぽーとTOKYO-BAYへの無料送迎バスの乗り場となっている.
それが,「二輪車用信号機用押しボタン」だ.
「自転車専用信号機用押しボタン」は,何のためにあるのだろうか...続きを読む
「軽車両」には,電動アシスト自転車のほか,大八車,リヤカー,屋台,馬車,牛車などと,牛や馬,象などの動物そのものも含まれる. ただし,原動機を持つ二輪車(バイク)は「軽車両」ではない. また,子ども用の三輪車なども「軽車両」に含まれない.
道交法上の「軽車両」は,車道と歩道の区別がある道では原則的に車道を走らなくてはいけない. ただし,道路標識で自転車通行を認めている場合や,13歳未満の子ども,70歳以上の高齢者である場合は,自転車でも歩道を通行できる.
また,工事などで車道の通行が危険な場合や,交通の状況からやむをえないときも歩道の通行は可能となる. 歩道は歩行者が最優先で,自転車は徐行(時速5.6km以下)しなければならない. 歩道を徐行せずに走れば,2万円以下の罰金(科料)となることもある.
自転車が関係する交通事故は年間9万件以上発生(2016年)し,交通事故全体の18.2%(構成率)となっている. 内,7.7万件が「自転車×自動車の事故(」自転車事故全体の84.7%)で最も多くなっている. 「自動車×歩行者の事故」は,2281件(自転車事故全体の2.5%)となる.
いずれの事故件数も減少傾向となっているが,死亡事故数は減っていない. 事故類型別でみると,「出会い頭衝突死亡事故」(490件)が半数以上(51.8%)を占める. 自転車×自動車による「出会い頭死亡事故」205件(42%)の内,「交差点での死亡事故」が167件(81%)となる. そのほとんどが,75歳以上の高齢者だ.
このような背景から,2015年6月1日の道路交通法改正で,「自転車の交通違反取り締まり強化」がされた. この改正で,14項目の危険運転行為が再定義された. 特に「歩行者用道路徐行違反(ブレーキをかけてもすぐ止まれない速度)」.「通行区分違反(車道右側逆走など)」...
「路側帯通行時の歩行者通行妨害」. 「一時停止違反(自転車の場合は足を地面につくこと)」. 「歩道通行時の通行方法違反(歩行者妨害,ベルを鳴らすなど)」, 「安全運転義務違反(傘さし,携帯電話・スマホ使用運転など)」などが強化された.
そもそも,なぜ自転車が歩道を走れるようになったのだろうか. 高度経済成長時に「3種の神器」としてテレビ,電気冷蔵庫,電気洗濯機が普及した. 「3種の神器」が一段落し,つぎに「3C」としてカー(クルマ),クーラー(エアコン),カラーテレビなどの大型耐久消費財が庶民の願望となり,1000ccクラスの大衆向け乗用車が作られマイカーブームが始まる.
道路は,工事用トラックやマイカーであふれ,車道を走る自転車が邪魔となってくる. 自転車を車道から締め出すため,1970年の道交法改正で「自転車の歩道通行」が例外的に認められたのであった. 2015年6月の道路交通法改正は,これを原則に戻したにすぎない.
しかし,クルマ側からみた自転車は,今でも邪魔者であることに変化はない. 狭い道路で後ろからクラクションを鳴らされることは多い. 少しづつではあるが,道路も整備されつつある. そのひとつが「自転車専用通行帯」や「自転車走行指導帯」の自転車レーンの整備となる. 「自転車路面表示」は,「自転車ナビライン」や「自転車ナビマーク」ともいう.
市民には「自転車の歩道通行」が染みついている. そのため,車道でどのようにすればよいのか迷うことがある. そのひとつが交差点だ. 基本的には,「青は進んで良い」,「黄色と青点滅は(基本的に)止まれ」,「赤は(完全に)止まれ」は,人でもクルマでも自転車でも同じだ. 横断歩道に「歩行者専用信号機」が設けられている場合,自転車はどうなるのか.
「歩行者用信号機」が設けられている場合でも,自転車はクルマ用「一般(3灯式の)信号機」にしたがう. では,クルマ用「一般(3灯式の)信号機」の下に「矢印信号」がある場合はどうなるのか. 実は,右折方向の「矢印信号」だけ,自転車はクルマの信号と見方が異なる.
直進方向の矢印信号,左折方向の矢印信号はクルマと同じだが,右折方向の矢印信号だけ自転車は赤信号と同じ扱いとなる.
自転車の交差点での右折は,「二段階右折(いったん直進してから信号機が変わってから右折する)」を行うこととになっているためだ.
船橋市本町通りには,千葉県初のスクランブル交差点がある. このスクランブル交差点の場合,自転車はどう動けばよいのか. 基本的に自転車はクルマと同じ扱いになる. 歩行者用信号が青でも,クルマ用信号が青になるまで待たなければならない.
交差点を右折する場合は,二段階右折をしなければならない(ほとんど守られていないが). ただし,自転車から降りて歩道通行(通称,押しチャリ)であれば「歩行者用信号」にしたがって最短距離(斜めに)で渡れる.
「自転車専用信号機」や,「歩行者・自転車専用信号機」の表記がある場合は,この信号に従うことになる.
京成本線船橋競馬場駅前のバスプール内(千葉県船橋市宮本4丁目15)に,不思議なボタンがある.
ららぽーとTOKYO-BAY側から北側(陸側)へ走り,つきあたりの場所で,ららぽーとTOKYO-BAYへの無料送迎バスの乗り場となっている.
それが,「二輪車用信号機用押しボタン」だ.
「自転車専用信号機用押しボタン」は,何のためにあるのだろうか...続きを読む