千葉県船橋市古作1丁目中山競馬場場の前身は,常磐線松戸駅前の松戸市岩瀬の台地にあった総武競馬会(のちに社団法人松戸競馬倶楽部)松戸競馬場だ. 1905年(明治38年)に開場した競馬場だった.
▼千葉県松戸相模台にあった松戸競馬場(左). ▼1937年(昭和12年)ごろの中山競馬場(右).
20050807_松戸相模台_松戸競馬場_1733_DSC04167T1937年_昭和12年_船橋市古作_中山競馬場T
だが,日本陸軍の中堅幹部を養成するための陸軍工兵学校(1919年-1945年)の建設のために,松戸競馬場の土地が接収されてしまう. 現在の松戸駅東側の,聖徳大学,松戸中央公園(市民プール),松戸市立第一中学校などがある場所になる.
20151004_船橋市古作1_中山競馬場_1220_DSC0128520151004_船橋市古作1_中山競馬場_1215_DSC01281
追い出された松戸競馬倶楽部は,交通の便が悪い千葉県中山村と葛飾村にまたがる現在の地に,陸軍が費用を出すことで移転する. そして,松戸競馬倶楽部は中山競馬倶楽部と改名し,1920年(大正9年)に中山競馬を開催する. 今の場所より西側(現在の厩舎と駐車場がある場所)にあった.
20151004_船橋市古作1_中山競馬場_1216_DSC0128220151004_船橋市古作1_中山競馬場_1217_DSC01283
まだ,当時は武蔵野線(小金線)はなく,中山競馬場の最寄駅は,1935年(昭和10年)に開業した京成本線中山競馬場前駅(現,東中山駅)だったが,競馬開催時のみ停車する臨時駅のあつかいだった. 東中山駅として常設駅になったのは,1953年(昭和28年)になってからだ.
20151004_船橋市古作1_中山競馬場_1222_DSC0129020151004_船橋市古作1_中山競馬場_1223_DSC01293
現在の最寄駅である武蔵野線船橋法典駅が開業したのは,1978年(昭和53年)10月の新松戸駅-西船橋駅間(14.3km)が開業した時期となる. その船橋法典駅の専用改札口(臨時改札口)から中山競馬場を結ぶ,800mにもなる専用の地下通路がナッキーモールとなる. ナッキーとは,中山競馬場のマスコットの名前だ.
20151004_船橋市古作1_中山競馬場_1224_DSC0203620151004_船橋市古作1_中山競馬場_1224_DSC02037
ナッキーモールは,千葉県道59号(木下街道)のようにクルマなど通らないので安全で,雨の日でも濡れることがない. また,動く歩道が設置されているので,普通に道路を歩くよりも楽に競馬場に到着することができる. 地下道ナッキーモール動く歩道が完成したのは,1993年(平成5年)9月6日(月)だった. この地下道の建設に,約24億円を投入した.
20151004_船橋市古作1_中山競馬場_1224_DSC0204020151004_船橋市古作1_中山競馬場_1224_DSC02043
ナッキーモールにはゴムベルト式動く歩道が全部で4基設置され,計 262m(歩道幅約 1m)にもなる. 1時間あたり,1万2000人の輸送能力がある. だが,その1基が停止したままとなっている. それはどうしてなのか...続きを読む