かつて,浦安,市川,船橋,習志野(鷺沼),幕張,稲毛,蘇我の海岸には広大な干潟が広がっていた. 潮が引くと荷馬車が通れるほどに締まる砂浜だった. その稲毛海岸に,その干潟を利用した国内初の民間飛行場が1912年(明治45年)に開設された. 日本の「民間航空の発祥の地」として,日本の航空振興に大きく貢献した.
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この飛行場があった場所は,現在稲毛公園(千葉県千葉市稲毛区稲毛1丁目)となっている. また,稲毛海浜公園内(美浜区高浜7丁目)には,稲毛民間航空記念館が開設(入館無料)されている. 当時活躍した複葉機(主翼が2枚ある飛行機)鳳号(おおとりごう)の80%スケールの復元機(飛行も可能)が展示されている.
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この飛行場を開設したのが,奈良原三次(ならはらさんじ)だった. 独学で飛行機を設計し,国産飛行機初の飛行に成功する. 奈良原三次の弟子であった伊藤音次郎(いとうおとじろう)は,千葉県稲毛に伊藤飛行機研究所を1915年(大正4年)に創立する. 日本初の女性パイロット(女流飛行士)の兵頭精(ひょうどうただし)などの数多くのパイロットを育てる.
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当時,女性パイロットは珍しく,一目見ようと飛行会場が満員になるほど多くの観客が押し寄せた. (社)帝国飛行協会(現,日本航空協会)主催の三等飛行機操縦士の飛行競技に参加し,スピード種目で15人中10位になっている.
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女性パイロットの兵頭精は,NHKの連続テレビ小説「雲のじゅうたん」(1976年放送,最高視聴率48.7%)のヒロイン真琴(浅茅陽子)のモデルになった女性だ. 1916年(大正5年)に稲毛を離れ,現在の千葉市寒川新宿に白戸飛行機練習所を開設する. さらに1918年(大正7年)に,千葉郡津田沼町鷺沼(さぎぬま,現,習志野市)に移している.
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国内初の民間飛行場が開設されてから約100年後,航空とゆかりがあるこの地で,飛行レースのレッドブル・エアレース千葉大会(第三戦)がおこなわれた. エナジー飲料メーカのレッドブルがスポンサーとなっておこなわれるエアレースで,2003年から各国でおこなわれている.
準備中のレッドブル・エアレース千葉大会会場.
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エアレース以外にも,F1やオートバイなどのモータースポーツやヨットレース,サッカーチームなどに,積極的に支援している. レッドブルは,エナジー飲料(コーラの約2倍のカフェインが含まれる)業界でほぼ独占状態となっている.
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飛行コースの幕張新都心の会場には,滑走路はない. では,レッドブル・エアレース千葉大会に参加しているこのレース用飛行機はどこから飛び立ってきているのだろうか...続きを読む