2011年3月11日(金)14:46 太平洋三陸沖を震源として発生したのが,東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)だった.
浦安市の浮き出てきたマンホール.
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岩手県沖から茨城県沖にかけての長さ約 500km にもおよぶ広範囲の海溝型地震で,地震の規模を示すマグニチュードは M9.0, 日本の近代観測史上最大の超巨大地震となった.
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遠く離れた関東圏でも大きく揺れ,千葉県浦安市船橋市,習志野市,千葉市幕張新都心で震度5強を記録,そして東京湾岸の埋め立て地を中心に大きな被害が出る.
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その浦安市においては,市内の 86% にもおよぶ地域で,地中から水や砂が噴き出す液状化現象(液状化)が発生した. 比較的大きな民家は沈み込んで傾き,地中に埋められたマンホールはニョキニョキと浮き上がってきた.
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地中でかみあって重なりあっている土(砂)の粒子のすきまの中に地下水があると,地震によって揺すられて土の粒子のかみ合わせがだんだんはずれてきて,地下水の中に浮いたような状態になる. これが液状化現象だ. このような液状化現象は,2003年の十勝沖地震,2004年の新潟県中越地震(マンホールの最大浮き上がり 1.5m),1995年兵庫県南部地震(マンホールの浮き上がり10数cm程度)でも,マンホールや管の浮き上がり被害が報告されている.
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下水道としてよく使われるマンホールは,ほぼ円筒形のコンクリート製で,工場で作られたものを組立るものとなっている. 標準的なマンホールのサイズは,内径90cm,深さ2m,体積 1.8m2 で,重さは 1500kg となり,比重は約 0.8 となる. つまり,中が空であれば水に浮く. 液状化した地下水には泥が含むため,比重は 2.0 程度となる.
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今回の東北地方太平洋沖地震によるマンホール浮き上がり現象は,浦安市で最も多く発生した. 液状化の激しい場所と,マンホール浮き上がり現象が発生した場所は必ずしも一致はしていない. 液状化が発生しやすい砂質土地盤よりも,軟弱地盤で生じやすいことがわかっている.
2012年4月29日時点の高州中央公園の浮き上がたマンホール(貯水槽).
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東北地方太平洋沖地震は,一度の災害で戦後最大の人命が失われてしまった. 神社や寺がなぜ高い場所に建てられてていたのか. チリ沖地震の津波の時には「海岸線は危ない」といわれていたのになぜ住居区になってしまったのか. ---など,各地での教訓を残した.
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その辛い経験と厳しい教訓は,今後の未来へつなぐ証拠として,確実に後世に伝えることが重要で,風化しないよう定期的に災害教育を継続的に実施していくことが重要だと認識された. 千葉県浦安市高州の高州中央公園駐車場の貯水槽も,大きく飛び出した. 耐震性貯水槽であったにもかかわらずだ.
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この貯水槽は,首都圏の被災地の象徴として,たびたび新聞やテレビなどで報じられた. 浦安市は,この貯水槽をいち早く地震の教訓モニュメントとして残すことを決定した. 震災からわずか3か月後のことだった. 今後ここは,小学校などの地震教育の題材として活用されていくであろう. だがこの被災モニュメント,浦安市のホームページなどでは紹介されていない. それはなぜなのか...続きを読む