JR東日本(東日本旅客鉄道)は,2020年3月14日に開業したばかりの「高輪ゲートウェイ駅」と「新宿駅新南改札」にて,読み取り部分を内側に50度ななめに傾けた「新型自動改札機」を期間限定で設置した。
▼JR東日本が新宿駅に設置した「新型自動改札機」。
期間限定なのは,2021年に予定している「自動改札機」模導入のための実用試験(フィールド試験)のためだ。実用試験では,客に実際に使ってもらい使いやすさや読み取りエラー率などを検証する。JR東日本の「自動改札機」は老朽化対応のため10年から13年ごとに新しい「自動改札機」に切り換えをおこなっている。
▼JR東日本が2001年から導入した「非接触ICカード式自動改札機」。
JR東日本としては,1991年から首都圏の在来線にてはじめて「磁気式自動改札機」を導入した。約10年後の2001年からは,「非接触ICカード式自動改札機」が導入される。さらに,10年後の2011年には,本体をスリム化した「自動改札機」が導入している。
▼JR東日本が2011年から導入したスリム化した「自動改札機」。
そして2019年に,2-3年後をめどに「タッチレス改札機」を導入すると予告していた。女性にとっては,suica(スイカ)カードやsuica対応スマホを入れるポケットを持たない服装が多いため,ショルダバックに入れたまま通過できる「改札機」が望まれていた。また,車イス利用者にも使いやすくなる。
▼JR東日本が2021年から導入すると考えられる「新型自動改札機」。
日本で初めて自動改札機を導入したのは,1927年に開業した「東京地下鉄道(現,東京メトロ銀座線)」であった。ニューヨーク市地下鉄で利用していた「ターンスタイル木製改札機」を導入した。当時としては最新の方式だった。
▼1930年(昭和5年)に東京地下鉄道の開業と同時に導入されたターンスタイルの「木製改札機」。
10銭硬貨を入れると,木の棒が回転して1人だけ通れるという単純な仕組みであった。だが,路線内均一運賃でないと利用できないなどから,この仕組みは広がらなかった。
日本では,長年「駅務員」が「改札ボックス」に入り,1枚ずつ切符を確認して「改札ばさみ(改札パンチ)」で切符切りをしてきた。「改札ばさみ」は,駅によって切り込みの形が異なり,不正乗車ができないようになっていた。
▼1960年(昭和35年)ごろの東西線日本橋駅の改札と駅務員。
通勤通学時間帯には,「切符切り改札」で人の流れが停滞し,改札前には長蛇の列ができることもあった。客が少ない時間帯では,客を待つ間「改札ばさみ」を軽快にカチカチとリズムを刻む「駅務員」もいた。
日本で,本格的な「自動改札機」が導入されたのは,1967年(昭和42年)に「京阪神急行電鉄(現,阪急電鉄)」の北千里駅に設置されたのが始まりとなる。
▼1967年(昭和42年)阪急北千里駅に導入された世界初の「自動改札機」。
この「自動改札機」は世界初で,定期券に複数の穴を開け,その穴のパターンを光センサーで読み取る方式だった。食堂の券売機などを製造販売していた「立石電機(現,オムロン)」が開発をおこなった。
磁気式プリペイド乗車カード「PiTaPa(ピタパ)」やJR東日本の「イオカード」,民営鉄道の共通ICカード「ICOCA(イコカ)」,「PASMO(パスモ)」,「Suica」がまだない時代であった。
日本国有鉄道(国鉄)は,「駅務員による切符切り業務をなんとかしたい」と基礎研究を始めていた。
▼1970年(昭和45年)ごろの「柏駅」西口駅前広場。
1970年から柏駅や武蔵小金井駅などどで,長期実用試験を始める。
▼「柏駅」に試験導入されたもの同じ型の「磁気式自動改札機」。
だが,当時の国鉄の労組(国労,鉄労)は大変強く,「改札の自動化」は人員整理につながるとして猛反対。1987年(昭和62年)の国鉄分割民営化まで,「自動改札機」の導入が進むことはなかった。
1991年(平成3年)に,JR東日本と営団地下鉄(現,東京メトロ)が相ついで「磁気式自動改札機」が本格導入される。
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▼JR東日本が新宿駅に設置した「新型自動改札機」。
期間限定なのは,2021年に予定している「自動改札機」模導入のための実用試験(フィールド試験)のためだ。実用試験では,客に実際に使ってもらい使いやすさや読み取りエラー率などを検証する。JR東日本の「自動改札機」は老朽化対応のため10年から13年ごとに新しい「自動改札機」に切り換えをおこなっている。
▼JR東日本が2001年から導入した「非接触ICカード式自動改札機」。
JR東日本としては,1991年から首都圏の在来線にてはじめて「磁気式自動改札機」を導入した。約10年後の2001年からは,「非接触ICカード式自動改札機」が導入される。さらに,10年後の2011年には,本体をスリム化した「自動改札機」が導入している。
▼JR東日本が2011年から導入したスリム化した「自動改札機」。
そして2019年に,2-3年後をめどに「タッチレス改札機」を導入すると予告していた。女性にとっては,suica(スイカ)カードやsuica対応スマホを入れるポケットを持たない服装が多いため,ショルダバックに入れたまま通過できる「改札機」が望まれていた。また,車イス利用者にも使いやすくなる。
▼JR東日本が2021年から導入すると考えられる「新型自動改札機」。
日本で初めて自動改札機を導入したのは,1927年に開業した「東京地下鉄道(現,東京メトロ銀座線)」であった。ニューヨーク市地下鉄で利用していた「ターンスタイル木製改札機」を導入した。当時としては最新の方式だった。
▼1930年(昭和5年)に東京地下鉄道の開業と同時に導入されたターンスタイルの「木製改札機」。
10銭硬貨を入れると,木の棒が回転して1人だけ通れるという単純な仕組みであった。だが,路線内均一運賃でないと利用できないなどから,この仕組みは広がらなかった。
日本では,長年「駅務員」が「改札ボックス」に入り,1枚ずつ切符を確認して「改札ばさみ(改札パンチ)」で切符切りをしてきた。「改札ばさみ」は,駅によって切り込みの形が異なり,不正乗車ができないようになっていた。
▼1960年(昭和35年)ごろの東西線日本橋駅の改札と駅務員。
通勤通学時間帯には,「切符切り改札」で人の流れが停滞し,改札前には長蛇の列ができることもあった。客が少ない時間帯では,客を待つ間「改札ばさみ」を軽快にカチカチとリズムを刻む「駅務員」もいた。
日本で,本格的な「自動改札機」が導入されたのは,1967年(昭和42年)に「京阪神急行電鉄(現,阪急電鉄)」の北千里駅に設置されたのが始まりとなる。
▼1967年(昭和42年)阪急北千里駅に導入された世界初の「自動改札機」。
この「自動改札機」は世界初で,定期券に複数の穴を開け,その穴のパターンを光センサーで読み取る方式だった。食堂の券売機などを製造販売していた「立石電機(現,オムロン)」が開発をおこなった。
磁気式プリペイド乗車カード「PiTaPa(ピタパ)」やJR東日本の「イオカード」,民営鉄道の共通ICカード「ICOCA(イコカ)」,「PASMO(パスモ)」,「Suica」がまだない時代であった。
日本国有鉄道(国鉄)は,「駅務員による切符切り業務をなんとかしたい」と基礎研究を始めていた。
▼1970年(昭和45年)ごろの「柏駅」西口駅前広場。
1970年から柏駅や武蔵小金井駅などどで,長期実用試験を始める。
▼「柏駅」に試験導入されたもの同じ型の「磁気式自動改札機」。
だが,当時の国鉄の労組(国労,鉄労)は大変強く,「改札の自動化」は人員整理につながるとして猛反対。1987年(昭和62年)の国鉄分割民営化まで,「自動改札機」の導入が進むことはなかった。
1991年(平成3年)に,JR東日本と営団地下鉄(現,東京メトロ)が相ついで「磁気式自動改札機」が本格導入される。
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