地方競馬の船橋競馬場から徒歩5分ほどの場所に,京成本線の「船橋競馬場駅」がある。
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駅は1927年(昭和2年)に開業し,当時は「花輪駅」という駅名だった。場所は,現在のららぽーと無料送迎バスのバスプールとガソリンスタンド(出光セルフ船橋SS)あたりだった。
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かつてこの近くに「花輪城」があり,その名称から命名された。京葉道路の「花輪インターチェンジ」の名も「花輪城」から命名されている。花輪城」は,宮本中学校の南側の「茂侶神社(もろじんじゃ)」あたりにあった。花輪城」の城主や歴史については不明だが,室町時代の国府台合戦があったころではないかという説もある。
▼現在の市川市にあった「国府台城」。国府台合戦の絵図。
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昭和初期,「花輪駅(船橋競馬場駅)」の北側(山側)は高級別荘地となっていた。海神駅」周辺の高級別荘地と合わせて「西の海神,東の花輪台」とも言われた。
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当時の「花輪駅」は,「花輪駅」から習志野の海岸に向けて,谷津支線が伸びていた。
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そこには「楽天府」や「京成遊園地(のちに谷津遊園)」,「野球場」,「海水浴場」などがあった。
20160404_京成遊園地_谷津遊園_楽天府_112W
同じ場所にあった「楽天府」は,木造2階建ての建物で,チャンバラ映画を中心とした映画撮影所として使われた。
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楽天府」は,大日本自由映画プロダクションの阪妻関東撮影所の一部で,旧日本勧業銀行本店を移築したものだった。だが,わずか5年ほど破綻し,京成電鉄に渡すことになる。
▼旧日本勧業銀行本店
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▼現在「楽天府」は,千葉市の「千葉トヨペット本社」として使われている。
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そして現代,京成本線「船橋競馬場駅」は,船橋競馬場やららぽーとTOKYO-BAY(前ららぽーと船橋ショッピングセンター),ビビット南船橋(前ビビットスクエア),IKEA TOKYO-BAY(前IKEA船橋),京葉食品コンビナートなどの大きな施設の従業員や客などの最寄り駅として使っている。
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同じ程度の乗降客数の新京成線「常盤平駅」と比較すると,その差は顕著である。
▼1日の乗降客数(2014年度)と2km圏内の状況(新京成線「常盤平駅」との比較)
駅名1日の
乗降客数
人口総数世帯数全産業従
業者総数
小売業年間
商品販売額
船橋競
馬場駅
19,198人120,112人56,087
世帯
61,769人23,060,694
万円
常盤平駅18,656 人108,279人45,932
世帯
22,152人7,139,564
万円

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全産業従業者総数と小売業年間商品販売額に大きな差がみられる。ららぽーとTOKYO-BAYが大きく貢献していると考えられる。
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そのような「京成船橋競馬場駅」の「駐輪場」が,無人の自動駐輪システムに変わった。
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従来は人手による管理だったが,夜間や日曜は管理されていないといった状況だった。
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自動駐輪システム,日本コンピュータ・ダイナミクス社(NCD)製のパーキングシステム ECOPOOL(エコプール)を使い,2020年06月13日(土)から開始された。
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これにより,365日24時間管理できるようになった。屋根なしではあるが, 1ヶ月 1,800円(月20回利用とすると1回あたり90円), 3ヶ月 5,100円(月20回利用とすると1回あたり85円), 6ヶ月 9,600円(月20回利用とすると1回あたり80円)となっている。
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