2013年12月4日,国際連合の専門機関のユネスコ(教育科学文化機関)は,「和食」の食文化を伝統的な社会慣習として受け継がれていると,無形文化遺産に登録することを決めた。
20191101_1828_旅館_日本食_和食_食事_DSC00627W
2010年,ユネスコは無形文化遺産の対象分野を「」にまで拡大した。現在,「フランスの美食術」,「スペインとイタリアの地中海料理」,「メキシコの伝統料理」,「トルコの麦がゆ」などが登録されている。日本での無形文化遺産(食以外)としては,「歌舞伎」,「能」,「アイヌ古式舞踊」などがすでに登録されている。
20191101_1828_旅館_日本食_和食_食事_DSC00633W
外務省調べ(2017年)によると,海外における「日本食レストラン」の数は,2006年約に約 2.4万店から2013年約 5.5万店,2015年約 8.9万店,2017年約 11.8万店,2019年約 15.6万店,---と急増している。2006年から約6.5倍になった。近年は,アフリカ,オセアニア,アジア全域,中南米の伸びが著しい。
20191213_0000_海外における日本食レストランの数_124W
しかし,米国の場合「日本食レストラン」の内7割が日本人ではない経営で,米国全域では4割が中国系で,看板だけのナンチャッテ日本食レストランも多い。ロサンゼルス,ニューヨークでは韓国系が多い。好きな日本料理のカテゴリでみると,「寿司・刺身」,「焼き鳥」,「天ぷら」などの人気が高い。
20200808_1200_海外日本食レストラン_122W
日本貿易振興機構(JETRO)がおこなったアンケート調査では,好きな外国料理1位は日本料理(複数回答可で83%)だった。「日本料理が好きな理由」の1位は「味の良さ(69.1%)」,ついで「健康に配慮(54.6%)」,「洗練されてい高級て感がある(37.1%)」と続く。
20191213_0000_海外における日本食レストラン_212W
また,訪日外国人旅行者への「地方観光地でしたいこと」という意向調査では,1位に温泉,2位に自然,3位に料理(食べ物)となっている。日本料理(和食)」への期待が高いことがわかる。
▼海外のSUSHIは,日本の寿司とはかなり違う。
20200808_1200_海外日本食レストラン_132W
「日本料理(和食)」は,世界的にみても特別だ。日本は,宗教の関係もあり,魚以外の動物性タンパク質をとる習慣がなかった。このようなことから,油を極力使わない独自の料理が発達した。
▼海外のSUSHI(寿司)は独創的だ。
20200808_1200_海外日本食レストラン_232W
基本的な「味」には,甘味,酸味,塩味,苦味の4つがあるが,さらに5つ目の「うま味」があることを日本人は経験的に知っていた。
味は,舌の「味細胞」によって感じとるが,近年「うま味」専用の「味細胞」があることがわかった。UMAMI(うま味)」は世界共通の公式用語にもなっている。
▼海外のSUSHI(寿司)の品質はいまひとつ。▼米国人は,ノリ(海苔)が苦手なので内側に巻く。
20200808_1200_海外日本食レストラン_182w
日本食には「うま味」中心の料理が多い。昆布の旨味成分はグルタミン酸,カツオの旨味成分はイノシン酸アスパラギン酸,干しシイタケなどはグアニル酸,ハマグリやシジミなどはコハク酸と日本食にに使う食材には「うま味」成分が多い。
20160225_ひがし北海道感動の旅_2日目_1816_DSC06993W
味噌や,醤油,みりん,酒,酢などの日本伝統調味料の多くは,麹菌などの微生物の働きを利用して発酵をさせて作られていて,グルタミン酸が多く含まれる。
20160224_ひがし北海道感動の旅_1日目_1854_DSC06441W
白だし」は,白醤油にかつお節やこんぶ,しいたけなどのだしの汁を入れた万能調味料だ。1971年(昭和46年)に愛知県碧南市のヤマシン醸造(鳥新商店)が「しらつゆ」という商品名開発した。1978年(昭和53年)愛知県碧南市の七福醸造が,同じ製法で作った調味料を「白だし」という名で発売した。
20191006_1313_旅館_日本食_和食_食事_DSC00397W
その後,大手も含め,多くのメーカーから「白だし」が発売されている。この「白だし」が,自動販売機でも買うことができる。
▼七福醸造製造の「だし職人渾身(こんしん)の白だし」。
20200502_1300_渾身の白だし_だし職人_自動販売機_382W
日本では自動販売機で販売されているものがないほど,自動販売機は普及しているが,ほとんどが清涼飲料水で,調味料の販売はめずらしい。
20200502_1300_渾身の白だし_だし職人_自動販売機_422W
この「調味料専用自動販売機」が船橋市浜町に設置されている。白だし」の製造元は「七福醸造』(愛知県)だ。有機白醤油に鹿児島県枕崎の鰹節,国産の椎茸や北海道の昆布,天然塩,三河本みりんを使用して調合している。
20200606_0945_渾身の白だし_だし職人_自動販売機_DSC03168W
ここの 船橋競馬場前の朝日ビル1階の自動販売機は,「Cafe&Bar Iceberg」が設置したものだが,運営は船橋市夏見の不動産会社の「大慶(だいけい)エステート」がおこなっている。
20200808_1100_渾身の白だし_だし職人_自動販売機_DSC00100W
東京都内と千葉県を中心に27カ所で販売している。近くでは西船橋駅南口から徒歩4分ほどの平野農園前にも設置されている。
20200602_1300_渾身の白だし_だし職人_自動販売機_DSC03075W
愛知県の七福醸造製造の「だし職人渾身(こんしん)の白だし(180ml)」が900円。福岡県の二反田醤油本店製造の「だし職人自信のあごだし(焼きあご1本入り500ml)」が900円となっている。
20200602_1300_渾身の白だし_だし職人_自動販売機_DSC03074W
最近は,「消毒用アルコール」を 1000円で販売している。