
「
お盆」は,ご先祖の霊を迎え入れる日本の行事のひとつだ。

「
お盆」の風習は,古代インドから中国を経由して伝わり,日本古来の土着信仰と融合したとされる。

新暦の8月15日を中心として行われ,お盆初日の8月13日が
迎え盆(迎え火),最終日の8月16日を
送り盆(送り火)という。

1872年(明治5年)11月に太陽暦が採用され,新しい暦の7月15日となった。

しかし,農作業の関係から,地方を中心に1カ月遅れの8月15日になったという経緯がある。

農業にあまり関係のなかった東京の一部では,現在も7月15日となっている。

今年(2020年)は
東京オリンピック開催が予定されていたため,一時的に
山の日を8月12日(水)から8月10日(月)に移動し,8月8日から10日までの3連休となっている。
▼お盆の花の定番のキク(菊)。

しかしながら,中国発祥といわれる「
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」の流行が止まらず,東京オリンピック開催は1年延期となってしまった。

有休でつないで9連休にした人もいると思うが,今年は海外旅行もできない。

また,東京都小池知事から「
お盆の帰省や旅行は控えて」と呼びかけたことから,ひっそりとした
お盆期間となった。

仏教では,「香」,「灯」,「
花」の3つをお供えの基本としている。

また,神道では「
花」に代わり「
榊(サカキ)の枝葉」を使うが,最近はあわせて
生花も欠かせない。
▼榊(サカキ)の枝葉。

お供えの「
花」にも暗黙ルールがある。

「臭いの強い花(クチナシなど)やトゲのある花(バラなど)を避ける」,「新盆(にいぼん)では,白や薄いグリーンを基調とした花とする」,「本数は3本,5本といった奇数本とする」---などだ。

一般的には「
キク(菊)」や匂いの少ない「
ユリ(百合)」などの白い花が定番となるが,最近は紫や青,黄色などの花を混ぜたものも多い。

ピンクや赤の
カーネーションも人気だ。
▼ちょうちん(提灯)に似たホオズキ(鬼灯)。

また,ちょうちん(提灯)に見立てて「
ホオズキ(鬼灯)」を飾ることもある。

地域によっても違うが,横に張った縄に「
ホオズキ」を吊るす。
▼ホオズキ(鬼灯)の飾り。