東京湾岸道路(湾岸道路)は,千葉県富津市から(一部未開通),千葉市,習志野市,船橋市,市川市,浦安市の海岸沿いの埋立地をつなぎ,そして東京お台場,羽田空港(羽田国際空港)を経由し,神奈川県川崎,横浜市,横須賀市(一部未開通)まで接続する. 関東圏を代表する主要都市をつなぐ環状型道路だ.
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国道14号,国道15号,国道16号のバイパス的な位置付けで計画され,総延長延長は約 160kmにもなる. 国道357号東京湾岸道路としては79.3kmで,千葉区間が 21.3km,東京区間が 23.4km,神奈川区間が35.1kmとなる. 東京湾岸の埋め立て地には,大規模な物流拠点などが点在し,その物流を支えている.
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東京湾岸道路の一般部(無料道路)は,国道357号と国道16号,国道14号の一部で構成され,並走する専用部(有料道路)は東関東自動車道,首都高速湾岸線,横浜横須賀道路の一部で構成(供用)される.
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2020年にはオリンピック・パラリンピック(オリパラ)の開催が予定されていることもあり,一般国道357号東京港トンネル(西行き約1.9km,通行料無料)が片側開通,羽田空港と川崎を結ぶ一般国道357号多摩川トンネル(約3.4km)が事業着手されるなど優先的に予算が付いている.
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千葉県区間は,1969年度(昭和44年度)に都市計画化され,1972年度(昭和47年度)に工事に着手している. 千葉県区間の 21.3kmは,船橋区間習志野-千葉区間が1983年度(昭和58年度)に一般部(国道375号)の利用が開始され,浦安-市川区間が1990年度(平成2年度)に利用が開始されている. 専用部(有料道路)の東関東自動車道は,1982年度(昭和57年度)から利用が開始されている.
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近年東京湾岸道路の沿線地域において,インターネット通信販売(通販)向けの大型物流施設の建設され,今まで以上にトラックの交通量が増加している. 特に,一般国道357号船橋区間は上下4車線(片側2車線)しかないばかりか,左折専用車線すらなく,慢性的な交通渋滞となっている.
国道357号船橋区間の栄橋拡幅工事(2015年4月18日).
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さらに,2017年度開通予定の東京外環自動車道(外かん)の高谷ジャンクション(こうやJCT)が開通すれば,首都高速中央環状線や箱崎JCTの渋滞緩和は期待されるものの,一般国道357号船橋区間の渋滞は,さらに悲惨な状態となる可能性がある.
国道357号船橋区間の栄橋拡幅工事(2015年8月14日).
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これまでも,一般国道357号の渋滞ボトルネック対策はおこなってきた. そのひとつが連続立体交差事業で,交差点を通過することなく走れるようにする. 市川区の二俣立体高浜立体,千鳥町立体などの事業を進めてきた. 現在,舞浜立体(1.5km)と塩浜立体事業(3.5km)を進めている.
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だが船橋地区(延長0.8km)は,主要渋滞箇所に特定されているものの,6車線化(片側3車線化)どころか,連続立体化のための土地すらない. 国土交通省関東地方整備局は,2009年度(平成21年度)から「船橋地区交通円滑化対策」を進めている. 2022年度には完成させる予定になっている. 恒久対策ではないものの,当面の渋滞対策として,短期間で実施可能な工事に絞って緊急的におこなうものだ...
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国道357号船橋区間の栄橋拡幅工事(2015年11月21日).
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上り車線(海側東京方面)のみの1車線の拡幅(上下5車線化)と交差点改良などをおこないことで,渋滞緩和を狙う. 船橋地区の区間は,比較的早い時期(古くは江戸時代)に塩田として利用が始まったことから,土地所有者が民間となっている. 東京湾岸道路の早期開通を優先したことから,100m幅の土地確保ができておらず,必要最低限の土地の取得のみとなっている.
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今回の船橋地区交通円滑化対策では,JR京葉線の複複線化用に確保していた土地を活用して,上り車線(海側東京方面)1車線の追加(上下5車線化)と左折用車線の追加などをおこなう. 鉄道用地は千葉企業庁が保有していたが,企業庁の解体時にJR東日本に京葉線の複複線の予定を確認したところ,「利用予定はない」と回答があったことから,道路用地に転用することになった.
栄橋に併設していた水道管を,道路中央側へ移設をおこなっている.
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すでに,栄町交差点改良事業(延長108m)は,2015年3月31日に完了し開通している. さらに,栄橋の拡幅工事を進めている. 今後,日の出歩道橋(延長80m)の拡幅工事,日の出橋の拡幅工事などを進める.
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だが,国道357号船橋栄橋(船橋市栄町2丁目地先)の拡幅工事は,当初の標準積算もりよりも大きく費用が増大している. 積算にあたっては,東関東自動車道などの既存ボーリングデータを用い,近接するJR京葉線への影響ないとしていた. 用地取得後の地質調査したところ,軟弱な粘土層を確認したことから,JR京葉線への対策が必要となったのだ. 地下8mまでの地盤改良工事を追加したことなどから,約8億円の工事費増額となっている.
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