2014年4月1日から消費税率が 5% から 8% に引き上げられることにともない,JR東日本や京成電鉄などの鉄道や路線バスなどが運賃改定を行った.
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消費税引き上げ相当分を運賃に転嫁させる. しかし,前回の 5% への増税のときと対応と異なる. ICカード利用時は1円単位,現金利用時は10円単位となる. つまり,同じ区間でも料金が異なる二重運賃となるのだ.
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たとえば,南船橋駅-(京葉線)-東京駅のICカード運賃は 464円,現金運賃が470円, 西船橋駅-(東京メトロ東西線)-中野駅のICカード運賃は 308円,現金運賃が310円となる. JR東日本の首都圏では,Suica(スイカ)などのICカードの利用比率が8割以上になっていることが背景にある. ICカードの普及率がまだ低いJR西日本や関西などの私鉄では,利用者の反発を招く恐れがあると二重運賃を採用せず10円単位の値上げに統一した.
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消費税は,「公平に転嫁する」が基本だ, だが,今回の鉄道運賃改定は本当に公平なのかという声もある...
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それは,運賃の端数の扱い方の違いによる.
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消費税は,「公平に転嫁する」の考え方を原則に,端数を四捨五入する. したがって,ICカード運賃が1円単位での転嫁に比べ,現金運賃は高くなる場合と安くなる場合がある. だが,これは郊外での運賃の場合だ.
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首都圏近郊区間では端数を切り上げるため,現金運賃の方が不利益(または同額)となる. たとえば,山手線などの東京周辺(電車特定区間)での初乗り運賃は 130円にたいしてICカード運賃が 133円にたいして,現金運賃切り上げて 140円. 一方,郊外の初乗り運賃は 140円に対してICカード運賃が 144円にたいして,現金運賃四捨五入して 140円となる.
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ここでいう首都圏近郊区間とは,JR千葉駅(総武線)や千葉みなと駅(京葉線),大宮駅(東北本線)あたりが境となる.
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