2011年3月11日(金) 14:46,三陸沖を震源とする東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)が起きた. 地震の規模を示すモーメントマグニチュードは 9.0. 日本国内観測史上最大,1900年からの観測で世界第4位の地震だった.
三陸沖から遠く離れた関東地方でも大きく揺れ,千葉県で震度 6弱, 東京都心で震度 5強を観測. 東京湾岸の,浦安市や習志野市,船橋市の埋め立て地などで大きな被害が出た. この地震による死者行方不明者数 1万8517人(2014年3月10日時点),建築物の全壊半壊 40万0151戸にもなった.
被害は,宮城県,岩手県,福島県に集中し,ほとんどが大津波によるものだ. 場所によっては波高 10m 以上,最大遡上(そじょう)高は 40.1m 以上にもなっている.
▼船橋三番瀬海浜公園の流れるプールも液状化のために浮き上がってしまった(その後撤去).
当初の気象庁の速報では,地震検知約 9秒後に最初の警報(津波警報の発表はなし)を M7.9 で発表. 約 105秒後に地震の規模を M8.1 と推定. さらに,3分を経過した時点で震源を三陸沖 M7.9 と推定した. だが,その後 M9.0 と訂正された. 当初の M7.9 と訂正後の M9.0 とでは,推定される津波の高さがかなり違ってくる. 米国地質調査所(USGS)の情報は,最初から M8.9 を出していたことなどから日本の推定方法に問題があったのはあきらかだ. 大津波警報や津波警報,津波注意報,津波情報をもっと早くだせなかったのか. 実況に応じて,大津波警報への切替えをもっと早くできなかったのか. 反省点は少なくない...
三陸沖から遠く離れた関東地方でも大きく揺れ,千葉県で震度 6弱, 東京都心で震度 5強を観測. 東京湾岸の,浦安市や習志野市,船橋市の埋め立て地などで大きな被害が出た. この地震による死者行方不明者数 1万8517人(2014年3月10日時点),建築物の全壊半壊 40万0151戸にもなった.
被害は,宮城県,岩手県,福島県に集中し,ほとんどが大津波によるものだ. 場所によっては波高 10m 以上,最大遡上(そじょう)高は 40.1m 以上にもなっている.
▼船橋三番瀬海浜公園の流れるプールも液状化のために浮き上がってしまった(その後撤去).
当初の気象庁の速報では,地震検知約 9秒後に最初の警報(津波警報の発表はなし)を M7.9 で発表. 約 105秒後に地震の規模を M8.1 と推定. さらに,3分を経過した時点で震源を三陸沖 M7.9 と推定した. だが,その後 M9.0 と訂正された. 当初の M7.9 と訂正後の M9.0 とでは,推定される津波の高さがかなり違ってくる. 米国地質調査所(USGS)の情報は,最初から M8.9 を出していたことなどから日本の推定方法に問題があったのはあきらかだ. 大津波警報や津波警報,津波注意報,津波情報をもっと早くだせなかったのか. 実況に応じて,大津波警報への切替えをもっと早くできなかったのか. 反省点は少なくない...
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東北地方太平洋沖地震の前兆ともいえる事象が,大地震の 2日前から発生していた. 2011年3月9日 11:45 の M7.3 震度5弱の地震からだった. この地震に対し気象庁は津波注意報を発表し,岩手県大船渡で 55cm,北海道から関東地方北部にかけての太平洋沿岸で津波を観測している.
▼2011年3月9日 11:45 の M7.3 震度5弱の地震.
2011/03/09 11:45 三陸沖 M7.3 8km 震度5弱
2011/03/09 11:55 三陸沖 M4.8 14km 震度1
2011/03/09 11:57 三陸沖 M6.2 12km 震度2
2011/03/09 11:58 三陸沖 M6.0 21km 震度3
2011/03/09 12:02 三陸沖 M5.0 28km 震度1
2011/03/09 12:05 三陸沖 M5.0 21km 震度1
2011/03/09 12:08 三陸沖 M5.8 27km 震度2
2011/03/09 12:18 三陸沖 M5.1 28km 震度1
2011/03/09 13:05 三陸沖 M5.6 9km 震度2
2011/03/09 13:09 三陸沖 M4.5 17km 震度1
2011/03/09 13:32 三陸沖 M5.1 22km 震度2
2011/03/09 13:33 三陸沖 M4.7 30km 震度1
2011/03/09 13:36 三陸沖 M6.1 11km 震度3
2011/03/09 13:45 三陸沖 M5.3 22km 震度2
2011/03/09 13:47 三陸沖 M5.0 22km 震度1
2011/03/09 15:12 三陸沖 M4.6 26km 震度1
2011/03/09 15:13 三陸沖 M4.7 6km 震度1
2011/03/09 15:25 三陸沖 M5.1 6km 震度1
2011/03/09 16:13 三陸沖 M4.9 14km 震度1
2011/03/09 16:56 三陸沖 M5.1 11km 震度1
2011/03/09 17:02 三陸沖 M5.2 7km 震度2
2011/03/09 17:55 三陸沖 M4.7 8km 震度1
2011/03/09 19:13 三陸沖 M4.2 33km 震度1
2011/03/09 20:27 三陸沖 M5.3 8km 震度2
2011/03/09 21:03 三陸沖 M4.8 13km 震度1
2011/03/09 23:24 三陸沖 M4.7 26km 震度1
2011/03/10 01:59 三陸沖 M4.4 23km 震度1
2011/03/10 03:16 三陸沖 M6.4 29km 震度3
2011/03/10 03:44 三陸沖 M6.3 36km 震度3
2011/03/10 06:00 三陸沖 M4.9 28km 震度1
2011/03/10 06:24 三陸沖 M6.8 9km 震度4
2011/03/10 08:36 三陸沖 M5.2 35km 震度2
2011/03/10 08:57 三陸沖 M4.9 25km 震度1
2011/03/10 10:20 三陸沖 M4.7 30km 震度1
2011/03/10 16:32 三陸沖 M4.6 35km 震度1
2011/03/10 17:08 三陸沖 M5.9 34km 震度2
2011/03/10 17:59 三陸沖 M4.8 33km 震度1
2011/03/10 18:02 三陸沖 M5.4 23km 震度1
2011/03/10 20:21 三陸沖 M5.2 23km 震度2
2011/03/10 20:29 三陸沖 M4.3 34km 震度1
2011/03/11 01:54 三陸沖 M5.4 18km 震度2
2011/03/11 06:49 三陸沖 M4.5 35km 震度1
2011/03/11 07:44 三陸沖 M4.8 31km 震度1
2011/03/11 14:46 三陸沖 M9.0 24km 震度7 <=
このように,通常とは違う地震が大地震の前に連発していた.
気象庁は,2011年3月9日 11:45 の M7.3 の地震を本震とし,その後の地震をその余震として扱い,この地震を重要視していなかった. ところが,2011年3月11日 14:46 M9.0 が本震で,それよりも前の地震はその予兆地震だったことが後になってわかる.
▼大地震発生全日の2011年3月10日のJR西船橋駅ホーム. ▼この後,18時間後に大地震が起きるとは,だれもが考えていなかった.
今の技術では地震の予測は難しい. 人が歩く速度は 4km/h 程度,自転車が平地で 15km/h. 津波が到達するまでの時間が40分程度あれば,かなりの人が逃げ切れた. 適切な準備ができていれば,人的被害は半分以下にできたかもしれない.
実は,気象庁の観測点以外にも,国土交通省港湾局の観測点がある. 港湾整備に必要な沖合の波浪情報を取得するためのGPS波浪計だ. GPS波浪計は,その機能から沖合での津波の計測もできる. だが,この国土交通省のGPS波浪計を気象庁が利用して波浪予報には使っていたものの,津波予測にはうまく活用されていなかった(活用されていなかったわけではない).
▼2011年3月10日 20:00 のJR西船橋駅ディラ西船橋. ▼3月14日のホワイトデーのお返しを買い求める男性サラリーマンで賑わっていた.
GPS 波浪計や沖合の海底に設置されている海底ケーブル式水圧計の津波観測データを入手していたものの,それらのデータを使って津波を評価する手法が確立していなかったのだ.
結局,過小評価な地震規模で発表した「予想される津波の高さ3m(宮城県 6m,岩手県・福島県 3m)」が避難の遅れに繋がってしまった. もっと早く,正確な地震予報や津波予報を出すことが望まれる.
<関連記事>
(2014年02月22日)災害は防げるのか@宮城県石巻市立大川小学校の大津波災害の真実とは(19)
(2013年10月26日)災害は防げるのか@船橋市本町通りの緊急警報システム(18)
(2013年08月13日)災害は防げるのか@船橋市立湊中学校の改築(17)
(2013年06月08日)災害は防げるのか@JR総武線船橋駅近くの高架橋耐震補強工事(16)
(2013年03月10日)災害は防げるのか@千葉市美浜区の液状化(15)(2013年01月19日)災害は防げるのか@東京都江東区新豊洲変電所(14)
(2013年01月19日)災害は防げるのか@船橋市避難訓練コンサート(13)
(2012年11月19日)災害は防げるのか@東京湾の津波(12)
(2012年11月19日)災害は防げるのか@船橋ファミリータウンの幸せの黄色い旗(11)
(2012年09月04日)災害は防げるのか@防災の日の防災フェア(10)
東北地方太平洋沖地震の前兆ともいえる事象が,大地震の 2日前から発生していた. 2011年3月9日 11:45 の M7.3 震度5弱の地震からだった. この地震に対し気象庁は津波注意報を発表し,岩手県大船渡で 55cm,北海道から関東地方北部にかけての太平洋沿岸で津波を観測している.
▼2011年3月9日 11:45 の M7.3 震度5弱の地震.
2011/03/09 11:45 三陸沖 M7.3 8km 震度5弱
2011/03/09 11:55 三陸沖 M4.8 14km 震度1
2011/03/09 11:57 三陸沖 M6.2 12km 震度2
2011/03/09 11:58 三陸沖 M6.0 21km 震度3
2011/03/09 12:02 三陸沖 M5.0 28km 震度1
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2011/03/09 12:08 三陸沖 M5.8 27km 震度2
2011/03/09 12:18 三陸沖 M5.1 28km 震度1
2011/03/09 13:05 三陸沖 M5.6 9km 震度2
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2011/03/09 13:32 三陸沖 M5.1 22km 震度2
2011/03/09 13:33 三陸沖 M4.7 30km 震度1
2011/03/09 13:36 三陸沖 M6.1 11km 震度3
2011/03/09 13:45 三陸沖 M5.3 22km 震度2
2011/03/09 13:47 三陸沖 M5.0 22km 震度1
2011/03/09 15:12 三陸沖 M4.6 26km 震度1
2011/03/09 15:13 三陸沖 M4.7 6km 震度1
2011/03/09 15:25 三陸沖 M5.1 6km 震度1
2011/03/09 16:13 三陸沖 M4.9 14km 震度1
2011/03/09 16:56 三陸沖 M5.1 11km 震度1
2011/03/09 17:02 三陸沖 M5.2 7km 震度2
2011/03/09 17:55 三陸沖 M4.7 8km 震度1
2011/03/09 19:13 三陸沖 M4.2 33km 震度1
2011/03/09 20:27 三陸沖 M5.3 8km 震度2
2011/03/09 21:03 三陸沖 M4.8 13km 震度1
2011/03/09 23:24 三陸沖 M4.7 26km 震度1
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2011/03/10 03:16 三陸沖 M6.4 29km 震度3
2011/03/10 03:44 三陸沖 M6.3 36km 震度3
2011/03/10 06:00 三陸沖 M4.9 28km 震度1
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2011/03/10 08:36 三陸沖 M5.2 35km 震度2
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2011/03/10 16:32 三陸沖 M4.6 35km 震度1
2011/03/10 17:08 三陸沖 M5.9 34km 震度2
2011/03/10 17:59 三陸沖 M4.8 33km 震度1
2011/03/10 18:02 三陸沖 M5.4 23km 震度1
2011/03/10 20:21 三陸沖 M5.2 23km 震度2
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2011/03/11 06:49 三陸沖 M4.5 35km 震度1
2011/03/11 07:44 三陸沖 M4.8 31km 震度1
2011/03/11 14:46 三陸沖 M9.0 24km 震度7 <=
このように,通常とは違う地震が大地震の前に連発していた.
気象庁は,2011年3月9日 11:45 の M7.3 の地震を本震とし,その後の地震をその余震として扱い,この地震を重要視していなかった. ところが,2011年3月11日 14:46 M9.0 が本震で,それよりも前の地震はその予兆地震だったことが後になってわかる.
▼大地震発生全日の2011年3月10日のJR西船橋駅ホーム. ▼この後,18時間後に大地震が起きるとは,だれもが考えていなかった.
今の技術では地震の予測は難しい. 人が歩く速度は 4km/h 程度,自転車が平地で 15km/h. 津波が到達するまでの時間が40分程度あれば,かなりの人が逃げ切れた. 適切な準備ができていれば,人的被害は半分以下にできたかもしれない.
実は,気象庁の観測点以外にも,国土交通省港湾局の観測点がある. 港湾整備に必要な沖合の波浪情報を取得するためのGPS波浪計だ. GPS波浪計は,その機能から沖合での津波の計測もできる. だが,この国土交通省のGPS波浪計を気象庁が利用して波浪予報には使っていたものの,津波予測にはうまく活用されていなかった(活用されていなかったわけではない).
▼2011年3月10日 20:00 のJR西船橋駅ディラ西船橋. ▼3月14日のホワイトデーのお返しを買い求める男性サラリーマンで賑わっていた.
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結局,過小評価な地震規模で発表した「予想される津波の高さ3m(宮城県 6m,岩手県・福島県 3m)」が避難の遅れに繋がってしまった. もっと早く,正確な地震予報や津波予報を出すことが望まれる.
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