私,失敗しないので」. テレビ朝日系(制作会社は渡辺プロ系のザワークス)のTVドラマ「ドクターX(エックス)外科医大門未知子」のキメ台詞だ.
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2014年12月11日(木)放送分の平均視聴率は 24.8%,12月18日(木)の最終回の放送が 27.4% と,2014年のドラマ番組平均視聴率の最高記録をした. 主演は米倉涼子(オスカープロモーション)だが.このシリーズの成功により,「高視聴率の女王」といわれている.
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ドクターX外科医大門未知子」は,特定の病院や医局に属さないフリーランス(自由契約)女性外科医の活躍を描いたTVドラマだ. 医師としての能力は極めて高く,患者のささいな状況などから病状を推定する洞察力もきわめて高い.
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私,失敗しないので」と,医療ミスは絶対に起こさないと宣言して手術をおこなう. 万が一,医療ミスを起こせば,訴えられてもおかしくない状況下で神業(ゴットハンド)の手術をこなう.
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みにくい派閥争いをおこなう国立高度医療センターが舞台だが,東京都新宿区戸山1丁目の国立高度医療センター(のちに独立行政法人国立国際医療研究センターと改称)とは一切関係ない.
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ドラマに出てくる巨大病院は,1991年に完成した幕張新都心のワールドビジネスガーデン(WBG)のマリブイーストタワーとマリブウエストタワーを国立高度医療センターとしている.
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外科医大門未知子(通称,ミチコ/デイモン)は,高度な医療技術をどこで手に入れたのか」,「マネージャの神原晶(通称アキラ)はなぜ医師免許剥奪されたのか」などと謎が多いドラマ設定となっている. ドクターXのタイトル名もそこからきている. だが,このドクターXが実世界でも大きな問題となっている.
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群馬大学医学部附属病院(群馬大病院)第2外科の腹腔鏡(ふくくうきょう)下手術後に,死亡事例が多発していたのだ. 第2外科では,2010年12月から2014年6月までに,92人の患者に対して肝臓の腹腔鏡下手術を行ったが,そのほとんどを40歳代の男性助教授医師が執刀していた.
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だが,肝臓の腹腔鏡下手術を受けた患者の術後2週間から100日内に8名(8.7%)が死亡していた. 肝臓の腹腔鏡下手術の死亡率は, 手術後30日以内で0.2% 程度とされるので, 8.7% は異常に高い.
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医療業界では,医療事故を多発する医師をリピーター医師と言うが,群馬大病院や関係医師会がこの40歳代の男性助教授医師の名前の公表を拒んでいることなどから,ネットなどではこの男性助教授医師ドクターX(ダメな医師という意味もある)と呼ばれている. TVドラマの台詞を揶揄(やゆ)して「私,失敗しますので」とまでも言われている...
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手術には,15cmから25cmくらい大きくおなかを開ける開腹手術と,0.5cm-5cm程度の小さな複数の穴から内視鏡などの医療器具(カメラや鉗子)を腹部に入れて治療する腹腔鏡下手術(内視鏡下手術)がある.
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腹腔鏡下手術は,傷の痛みなど体への負担が少なく,術後の回復が早い. 手術の内容にもよるが,手術の当日もしくは翌日には歩行ができ自分でトイレなどに行くことも可能となる. 翌日からは水を口にすることができ,2日-3日後には食事を開始され,5日-10日くらいで退院が可能となる.
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一方で,腹腔鏡下手術は視野が狭く,遠近感がつかみ難いなどと難易度が高く,高度な技術が要求され,だれもができる医療ではない. 開腹手術よりも時間が1.5倍長くなるといわれ,歴史の長い開腹手術とくらべると執刀医の技術の差が出やすい.
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群馬大病院では,別の医師により同じような医療事故が2006年ごろにも発覚している. 生体肝移植を受けた患者9人のうち7人が死亡していた. 2005年11月の事例では,群馬県内に住む患者(夫/レシピエント)に50代の女性(妻/ドナー)から生体部分肝移植の手術を受けた.
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だが,健康だった女性が術後2日目に麻酔剤を流すための硬膜外カテーテルを差し込んだ脊髄(せきずい)付近から多量の出血となり,両足完全まひとなってしまった.
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調査の結果,30歳代の男性担当医が,肺血栓などの合併症予防のための血液凝固阻止剤「ヘパリン」の量を,通常の2倍-5倍投与したことにより,副作用として大量出血,脊髄を損傷させてしまった. 肝臓の提供を受けた50代の夫も,手術後3カ月後に感染症で死亡した.
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この担当男性医師の経歴は,米国の医大で脳死肝移植に携わり,300例以上のドナー(臓器提供者),200例以上のレシピエント(移植を受ける人)を執刀, 国内でも120例を経験したとホームページに掲載していた.
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だが実際は,米国では手術室で見学していただけ,国内も第2執刀医(補助)の立場だった. 群馬大病院の検証委は,「技術の未熟性も関与した」などと指摘した. 群馬大病院全体の体質に問題があると指摘する専門家もいる.
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腹腔鏡下手術を行った男性ドクターXには前歴があった. 千葉県がんセンター(千葉市中央区)で,同じ腹腔鏡下手術を受けた患者11人が術後短期間に死亡し,内8人にドクターXが執刀していた. ドクターXは, 2005年6月に千葉県がんセンターに赴任してきた.
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ドクターXよる患者死亡が多いことを,千葉県がんセンター側も気が付いていた.
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2012年9月と2013年1月の死亡事例では,千葉県がんセンター内で事故調査委員会が開かれている. 困難な術式を採用する際は「倫理審査委の事前承認が必要」との指摘が出された. その後,千葉県がんセンター内の事故調査委員会報告書が外部に漏れ,その会議の内容が明らかになっている.
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事故調査委員会報告書では,どうして患者が死んだのかの具体的な調査をするわけでもなく,「どう訴訟されないようにするのか」に終始している.
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結果,2014年2月に実施された手術で2週間後に1人が死亡する事故がまた起きてしまう. この事故で,ドクターX千葉県がんセンターに在籍することができなくなる.
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<千葉県がんセンターで調査対象となった患者死亡>
2008年06月18日:男(86歳):約9カ月後:膵臓,十二指腸など切除
2008年11月13日:男(58歳):約5カ月後:胃全摘出
2010年01月26日:男(72歳):約1カ月後:膵臓,十二指腸など切除
2010年05月10日:男(77歳):4日後:胃切除
2010年07月16日:男(82歳):6日後:胆管切除など
2011年02月23日:男(59歳):4日後:肝臓部分切除
2011年08月09日:男(72歳):約3カ月後:肝臓部分切除
2012年09月25日:女(76歳):当日:膵臓一部切除
2013年01月04日:男(74歳):約3カ月後:胆管合流部付近切除
2013年01月22日:男(57歳):翌日:膵臓,十二指腸など切除
2014年02月14日:男(80歳):2週間後:胆管切除など
印:ドクターXが執刀医.
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千葉県がんセンターは,これらの患者死亡医案件以外にも,麻酔資格がない医師が麻酔をしていたことが判明している. この事実を指摘した女医ががんセンターから追いだされたことなどから訴訟問題となり,この事実が判明した. 千葉県がんセンターにも,群馬大病院と同じような体質がああるのかもしれない.
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千葉県がんセンター群馬大病院には,もっと早くこのドクターXの資質を指摘する医師はいなかったのだろうか. また, ドクターXは,2世医師で1993年群馬大学医学部卒であることがわかっているが,同じ同業者である家族からの指摘はできなかったのだろうか.
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男性助教授医師の家族医師(大学教授)は,船橋市と習志野市内のとある病院に非常勤医として勤めているが,この件についてのコメントは出ていない.

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